レモン哀歌



2006年08月17日(Thu)
レモン哀歌
久しぶりに、高村光太郎の「智恵子抄」を
読みました。
そんな中でも、「レモン哀歌」 は
思い出に残る詩です。
たまには読んでみませんか?

生きることは、すごく難しいなと思います。
命の瀬戸際は、人の心が正直に出るのではないでしょうか。
智恵子の愛にうたれる詩だと感じます。

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「レモン哀歌」 高村光太郎」

そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白いあかるい死の床で
私の手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関ははそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光つレモンを今日も置かう


   


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カレンダ
2006年8月
   
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